なぜ宿題をやる必要があるのか
将棋の公式戦28連勝を達成し、歴代最多の連勝記録と並んだ中学生棋士、藤井聡太四段の言です。
「授業をきちっと聞いているのに、なぜ宿題をやる必要があるのか」。藤井四段はそう主張して、最近まで宿題を提出しなかった、そうです。
で、どうなったか。
五月上旬に学年主任を交えて「宿題は授業の一環で、授業を補完するから必要なこと」としっかり説明すると、納得して提出するようになったそうです。
藤井四段は対局中に読みに集中すると将棋盤にかぶさるように前のめりになるのですが、授業中でも集中すると机に前のめりになるようです。
学校の先生は、「授業で全て覚えようという意識の表れ」とみているとのことです。最近は、休み時間に宿題を解いている姿をよく見かけるそうです。
藤井四段は学校の勉強は学校で終わらせて、家では将棋の勉強にうちこんでいるのですね。それをやってのけるところに将棋に対する思いのすごさを感じます。
また、藤井四段には“運”の良さも感じます。
三段リーグを1回で突破したのですから勿論実力はあったのでしょうが、13勝5敗でそれほどとびぬけた成績ではありませんが1位で四段に昇段しています。
三段リーグに上がったばかりなので順位は最下位で、上位に同率以上の成績者が2名いれば頭はねで昇段できませんでした。
佐藤天彦現名人は三段リーグ突破に3年ほど(年2回あるので6回ほど)かかっています。実力はあって毎回昇段を最後まで争っていました。
今回は大丈夫と思っても最後(1日に2局戦います)で負けて昇段を逃していましたが、逆に昇段したときは今回は無理かなという成績でしたが、成績上位者相次いで負けて昇段が転がり込んできた感じでした。
神様のいたずら心を感じてしまいます。
なぜ、宿題をやる必要があるのか。
君たちはそれをやらないと理解・定着しないからですよ。
それと、学校の授業の内容をどれだけ集中して聞いていますか。
将棋界でもう一つ注目していることがあります。
初めて女性のプロ棋士が誕生するかもしれません。
現在、女流プロはいますが男性と同じプロ棋士はいません。三段リーグで2位以上の成績を上げないとプロ棋士の4段になれません。
プロになれないとどんなに強くても名人にはなれないのです。
(他の棋戦だと女流プロ枠やアマチュア枠があったりします)
現在、三段リーグには女性棋士が2名(これも近年になって初めてのことです)いて、密かに期待しています。