「入試改革を考える会」の要望書
「入試改革を考える会」では「入試改革を考える保護者の会」と連名で、以下のような内容の要望書を文部科学大臣に送付しました。
緊急事態宣言の発令により多くの学校が休校で、予備校や塾も休業してるので高校生は未習分野を自宅での学習で補うことはほぼ不可能で、オンライン授業などが施されていたとしても状況が大きく変わることはない。
仮に5月7日から学校が再開されてとしても来年1月16日・17日に予定されている共通テストに間に合わせるためには年内に試験範囲の学習を終了しなければならず、不可能である。
そうずると4月入学を維持しようとする場合に地域、現役・既卒性間の不公平を排除するためには次のいずれかの対応が必要です。
1 試験の実施時期を遅らせる。
2 出題範囲を限定して予定通りに実施する。
3 共通テストの実施は中止して個別試験のみで合否判定を行う。
しかし、コロナウイルスの収束の目途がついていない現時点で、上記1・2の対策をとるにしても具体的なことを即座に決めることは難しい。3にしても1ヵ月の余裕があるが事情は同様である。
現時点で具体策を確定することは困難であるが、一方で、時間が経てば経つほど、生徒の不安は大きくなるので、現時点で可能な次のような対応を早急に執ることを強く要望する。
1 学校での授業は、通常の年度と同一の進行速度で全項目が実施されるように配慮すること。
2 オンライン授業等を対面授業の完全な代替とは扱わないこと。
3 来年度の大学入試についても、どの受験生にも不公平が生じないようにあらゆる可能性を検討して実施すること。
4 そして、事前にそのような準備のあることを公表すること。
共通テスト、学校推薦型選抜・総合型選抜、一般選抜すべてを考慮に入れた広い視野からの制度の調整が必要で、そして、その検討過程を可能は範囲で受験生・高校生も含めたすべての関係者・関係機関に随時公開していくことが、混乱や不安を最小限に抑えるために必要であると考える。
なお、高校入試についても同様の事態が発生しています。併せて適切な対応をご検討いただくことを要望します。と結んでいます。
文科省は家庭学習やオンライン授業を教室での対面授業の代替として単位を認めるように考えているように感じるところがありますが、ごり押しすると去年の共通テストの二の舞になります。
長引くほど9月入学が現実味を帯びてくるかもしれませんが、いずれにしても随時情報を公開してもらいたいものです。